こんにちは。くろしばです。また本の紹介になるのですが今回はいつも見たいな意識の高い本ではなく趣味色全開の本です。
暗渠って聞いたこともないと思いますが、東京の地下を駆け巡る秘密の水路、とか呼びようによってはめちゃめちゃワクワクしてきませんか?
僕はもともと水源とか清流とかをみるとテンションが上がる自称水タイプなのですが、好きなアプリはGoogle mapという趣向が相まってとても親和性のある存在に感じました。
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暗渠ってなんなのか
僕もまだ知って間もないので多くを語れるわけではないのですが、ほとんどの人が多くを語られたところで置いてけぼりになる分野だと思うのでちょうど良いのでは?とも思っています。
知らない単語を見た時に文字から想像できるのが漢字の素晴らしいところかと思いますが、その心をへし折ってくるのが 渠 の文字だと思います。
この文字は溝、とか人工の水路とかそんなニュアンスを持っている文字だそうです。
暗はこの場合は蓋されて見えなくなっている状態を表しています。
要は英語にしたら invisible waterway とでもなるのでしょうか。
反対に蓋で隠されていないものを開渠と呼ぶそう。
そんなかつて川として太陽を浴びながら水を運んでいた美しい川たちが、大都会となった東京都心部では蓋をされて封印されているというのです。
さらにその痕跡を僕たちは至る所で見ることができるのだそう。
違和感のある遊歩道の正体
写真は渋谷の代々木公園裏にある宇多川遊歩道です。
今まで僕は、渋谷は便利な街で所狭しと人が土地を奪い合ってるのにこんなゆとりあるスペースを残すなんてなんてセンスのいい街なんだ!
と思っていました。
でも暗渠を知るとそうでもないっぽいです。
こういった遊歩道は実は暗渠であることが多く、この宇多川遊歩道もかつて同じく暗渠となった渋谷川と並んで渋谷周辺で大きな存在感を放っていた川だったのです。
都市化していく街に虐げられるように川には蓋がされ、空洞となった地中の上には建物を立てることもできないままです。
近代的な区画の中で暗渠だけがかつての川の自然的な地形を残したうねうねした小路を作り出します。
趣のある道を頑張って作ったというよりは、それしか使い道がなかったという姿とも言えるでしょう。
四谷、渋谷などかつて多くの水が流れ込む谷の地形を地名に残した地域はこの辺以外にも至る所で見ることができますね。
暮らしの中での暗渠の存在
正直物好き以外にはどうでもいい内容にも思えますが、実は都市開発や不動産には今も影響しているという不思議な分野ということは伝わりますよね。
もう少し小さな経済規模で考えてみても、マイホームを建てるような場合は少しこういったかつての水の動きというものも気にしてみても良いのかもしれません。
僕はマイホームの土地選びをした経験はないので聞いた話だけになってしまいますが、水が近くを流れていた土地というのは今も地盤がしっかりしていなかったりということがあるみたいです。
暗渠だらけの地形には不動産価値としてそのリスクがきちんと織り込まれているのかを今一度考えてみても良いのかもしれません。
とはいえ日本は災害リスクのない土地なんてほとんどないと思いますが。
グローバル化で見つめ直す日本らしさ
今は下水道や都市化された河川に水を流し込むくらいしか意味を持たせてもらえていない暗渠ですが、実はその水源は健在なものがたくさんあるんです。
渋谷川はそのほとんどが暗渠になっていますが、実は水源の1つに新宿御苑の池が含まれています。
こんなふうに、湧き水なんて言葉とは無縁となった都市部でも今なお水が湧いているわけです。
これってなんだかすごくエモい(語彙)ことだと僕は思いました。
これだけ近代化して世界の上位に食い込む経済大国の首都にきれいな水が湧いて出るって日本以外にそんな簡単に見つかるのかなーなんて。
日本は水が豊かとか水道水が飲める素晴らしさは神、みたいな話題も諸外国と比べることが多くなった最近はたまに耳にしますよね。
そういうユニークさを全面にだしていくことで、欧米になれない日本といったネガティブな空気を払拭できるのではと思います。
まとめ
なぜか昔から自然の水の流れに心を動かされてきた僕としては東京の水の歴史を感じることができる興味深い分野です。
もし水タイプの人がいたら、まずこの本をぱらっと読んでみて近場の暗渠に散歩に行ってみてはいかがでしょうか。
ではでは( *`ω´)ノ
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