エンジニアだけど簿記をとった

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新卒時代はもっぱら初学者向けの技術資格の勉強ばかりだったが、なんとなくこれから僕が向かいたい方向の風を自分の中に拭かせるべく簿記3級をとってみた。どんなモチベーションでエンジニアの僕が簿記をとったのか、難しかったのかなど思ったことを書いてみる。

なぜIT界隈の自分が簿記

簿記の世界に興味を持ったきっかけは、フリーランスとして自分で確定申告をするようになってから、日々のお金の動きを記録する「仕訳」という作業を見時間に感じたことだった。同時に会計ツールが弾き出す数字の本当の意味や確定申告で提出する財務諸表が完璧に理解できていたとは言えない状況でもあったので、簿記を勉強してみたいなーと思ってはいた。

さらに今回、会社の創業に居合わせたことで自分の仕事と企業の会計がもう少し近くなった。僕自身がバックオフィスを管轄していたわけではなかったが、営利活動である株式会社の事業と自分の目の前の仕事がもう少し感覚的にリンクしていなくてはいけないという漠然とした気持ちが膨らんだ。実は個人的には資格取得に走る行為は、実務の荒波に飛び込むことを避けながらちまちまと頭でっかちな知識を蓄えること、と思っているフシもありあまり前向きではなかった。でもお金を動かすことにまったく無知なエンジニアである僕からすると、資格をとって、まずはここまで体系的に理解したぞ、という形に縋りたい気持ちがあったのだ。

実務ではどう役に立つのか

マネージャーでもない末端のエンジニアをやっていると、すべての活動にコストがかかっているという意識はないことが多い。さらにいうと、そのコストをどのような概念で数え、管理し、改善させていくかのリテラシーを持っていないと、どんな立場からも事業にコミットするのは難しいと思う。なぜなら事業とは財務状態を改善させることと切っても切り離せないからだ。この目線を手に入れるという意味で簿記の勉強は有用だと感じた。

さらに言うと日常会話でも使われる”資産”や”負債”などの単語も複式簿記の文脈で正確に理解していないと、自分が属する会社が一体どんな目線でヒト、モノ、お金を見ているのかもわからないだろう。

こういったコンプレックスを取り払うために簿記を勉強してみた。

簿記3級って難しい?

結論、結構難しかった。3級の国家資格って素人に毛の生えた知識で受かるイメージだったし、実際FP3級はほとんど苦労せずに合格した記憶がある。今回もその調子で、合格に向けた勉強時間の相場が60~100時間程度必要と言われる中、3、40時間程度の勉強で挑んだ結果見事に落ちた。笑

最近はテストセンターでPCで受験することができ、場所を選ばなければ毎日どこかしらで試験を受けることができる。1ヶ月後にもう一度受けると決めて勉強のギアを上げた結果、今度は7割がボーダーラインのところを9割とって合格できた。不思議と同じ問題集を何周も解いているだけで、解くごとに会計処理の見え方の解像度がぐんっと上がった感覚があった。

具体的には何を学んだのか

まずはお金の動きの数え方だ。使うお金と入ってくるお金、簿記では費用と収益という言葉を使って会社のお金の動きのログデータとして仕訳をしていく。そして会社の財務の評価方法も重要だ。どれくらいの価値のあるものが存在していて、逆にどれくらい価値を損なうものも同時に存在しているのか。それぞれ資産と負債と呼ぶが、現金や借金がわかりやすい例だろう。前者のお金の増減は個人のお財布でも日頃から気にしていることだが、後者の”現在の資産価値”というのは一度感覚をインストールしないと読み解くのが難しいと思う。たまに耳にする、P/L、B/Sの話だ。僕の感覚ではP/L的な目線でお金をみるのは簡単だ。普段から、いくら給料が入った、カードの引き落としがいくらだった、と考えているのがそのままP/Lの世界だからだ。一方B/Sは、今持っているのものの価値を正確に算出しなくてはいけないし、費用をかけ多ものが資産として残っている場合も認識しておく必要がある。

そんな会計の風が自分の中に吹くようになったということは大きな収穫だったと思う。(微風ではあるが)

まとめ

エンジニアに必要な技術のキャッチアップもおざなりにはできないが、営利活動をトータルで見たときの目線や、今回のトピックではないが、自分の属する組織が何を成し遂げようとしているかのビジョンの部分を理解した上でプロダクトの開発に打ち込めるようにしていきたいと思う。

今はようやくみるべき景色を理解した段階だが、その目線で経験を積んでいかないとあっという間に世の中に必要とされないおっさんになってしまう、そんな厳しいAI時代だなぁと。

頑張るしかないね。

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